南シャン州の地方都市アウンバンを訪れたとき、地元の人にも人気だというお店でダインチンをいただきました。グラスにたっぷり注がれたダインチンは無糖で、そえられていたのはシャン州産の蜂蜜。最初から甘くするのではなく、好きなだけ蜂蜜を垂らして食べるスタイルです。ダインチンとは、ミャンマーのヨーグルトのこと。素朴な発酵乳に土地の蜂蜜を合わせた、忘れられない一杯でした。
基本情報
- 日本語名:ヨーグルト(発酵乳)
- ビルマ語名:ダインチン
- ビルマ語:ဒိန်ချဉ်
- 英語名:Yogurt / Yoghurt(Dain Chin)
- 発音のポイント:「ダイン」「チン」と区切るように発音します
- 種類:牛乳・水牛乳などから作る発酵乳
ヨーグルトの食べられ方
ダインチンは、そのまま食べるほか、砂糖やパームシュガー、蜂蜜を加えて甘くしていただきます。ヤンゴンのヨーグルト店をのぞくと、砂糖と氷を入れたもの、パームシュガーのシロップを合わせたもの、果物入りなど、甘みの付け方はさまざま。私がアウンバンで出会った「無糖+シャン州産の蜂蜜」も、そのひとつです。
甘くするだけではありません。肉の下味としてダインチンに漬け込んだり、きゅうりなどと和えた「ライタ」のような付け合わせにも使われます。やわらかな酸味が肉をしっとりとさせ、スパイスの効いた料理をさっぱりとまとめてくれます。
ミャンマーのヨーグルト文化
もっとも、こうした使い方はミャンマー全体に共通するわけではないようです。伝統的なビルマ(バマー)料理では、乳製品はあまり使われません。ダインチンのような発酵乳が根づいているのは、ムスリムやインドからの移民、雲南から移り住んだ人々など、もともと乳を発酵させる食文化を持つ人たちの料理においてのようです。ヤンゴンのインド街に「ダインチンザイン」と呼ばれるヨーグルト専門店があるのも、そうした背景とつながっているのでしょう。地方の市場で蜂蜜とあわせる素朴な一杯と、街の食文化に根ざした一杯。同じミャンマーのヨーグルトでも、たどってきた道のりは違うようです。


