日本の食卓では当たり前のように使われる醤油ですが、ミャンマーではンガピ(発酵えびペースト)やペーガンピャーイェーという調味料が主役で、醤油はどちらかというと控えめな存在です。今回ご紹介する「ペーガンピャーイェー(ပဲငံပြာရည်)」は、ミャンマーで醤油を指す言葉。透明タイプの「アクリー」と、色の濃い「アノー」の2種類があり、写真の瓶はミャンマーの食料品店でよく見かける中華系ブランド「飛馬標醬油(フライングホースソイソース)」です。ラベルにはビルマ文字で「チャーニョウ」とも記されています。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日本語名 | 醤油 |
| ビルマ語名 | ペーガンピャーイェー |
| ビルマ語表記 | ပဲငံပြာရည် |
| 英語表記 | Pè Ngan Pya Yay |
| 分類 | 調味料(中華系の影響を受けた醤油。透明の「アクリー」と濃い色の「アノー」がある) |
中国からミャンマーに根づいた調味料
ミャンマーには元々醤油を作る文化はなく、中国からミャンマーへ移り住んだ人々を通じて醤油や豆腐、もやし、搾菜、干し椎茸などがもたらされたとされています。今ではチャーハン(ミャンマー語でタミンジョー)、焼きそば風の麺料理シージェッカオッスエ、とろみのある麺料理コーイェーカオッスエなど、醤油を使う料理はミャンマー料理の一部としてすっかり定着しており、あえて「中華料理」として区別されないほどだと言われています。

ヤンキン地区の人気タミンバウン屋さんのタミンバウン(あんかけご飯)のテクスチャー

ダウンタウン U Kyin Theinのシーヂェ
シャン州の料理にも欠かせない
中国・雲南省と国境を接するシャン州でも、醤油やごま油はシャン風の炒め物やたれ作りに欠かせない調味料になっています。シャン州の料理人たちは、からし菜やトマトを使った酸味のあるたれなど地元の材料を加えながら、中国由来の調理法を自分たちの味に取り込んできました。
それでも中国ほどには多用しない
実際にミャンマー各地の厨房を見てきた実感としては、醤油はンガピイェーやペーポウ(発酵大豆)ほど日常的に多用される調味料ではありません。中華インスパイアの料理やシャン州の一部の料理で使う、いわば”添え役”のような立ち位置。中国料理での醤油の存在感とは、そのあたりに違いを感じます。
日本での入手方法
「飛馬標醬油」のような中華系ブランドの醤油は、高田馬場周辺のミャンマー・中華食材店やアジア系スーパーで見かけることがあります。一般的な日本の濃口醤油で代用しても、料理の雰囲気は大きく変わりません。

