◆ミャンマー ロヒンギャの伝統家庭料理を習ってきました!
6月に、東京の郊外に住むカディザさんとムシャラフご夫妻のお家へお邪魔して、なかなか知ることができないミャンマーロヒンギャ料理をご馳走いただく機会がありました。
今日はその時の様子をご紹介したいと思います。
お声がけいただいたのは、長年に渡り、ミャンマー西部ラカイン州の少数派イスラム教徒「ロヒンギャ」の撮影し、ミャンマーのロヒンギャの実情や人々の素晴らしさを発信し続ける「新畑 克也」さん。
Earth Company マーケティング・マネージャーの樋口 実沙さんと、一緒に行くのでよかったら・・と
ご連絡いただき、秒で行きます!と返事をし、向かった東京郊外。
景色が良いベランダからの心地よい空気を感じながら、飾られていたおもてなしのお花に感動した私。
カディザさんは両親がミャンマーから避難したバングラデシュの生まれで、旦那さんのムシャラフさんはミャンマーラカイン州マウンドー出身だそうです。
ロヒンギャ料理の作り方のポイントを伺いながらお料理を作っていただきました。
教えてもらったロヒンギャの伝統料理はミャンマーのラカイン州の料理とは似てるようで異なる、お母さんからの秘伝ガラムマサラを惜しげもなく使っていただきました。
カディザさんが作る手もとを見ながら、どんな食材を使っているのか聞くと、とても丁寧に教えていただきました。
こちらも、ロヒンギャ料理の一つで、魚のすり身を揚げたもの。
現地に似た魚の代用してサバ缶で作ったとのこと。日本でも簡単に作れる!
と思いました。
名物「ロヒンギャおにぎり」=ビニチャップ
実はロヒンギャ料理の中でも日本人に一番馴染みある料理があるということで楽しみにしたのですが
それが、ご紹介する「ロヒンギャおにぎり」。
ロヒンギャ語ではビニチャップと呼ぶそうですが、いわゆる「揚げたスパイシーおにぎり」なんです。
まずは、お料理ができる前に・・ということでおやつ代わりにご用意いただいていたのですが
これが揚げたてでめちゃくちゃ美味しい!
中にはチキンや他の材料で炒めたカレー風味の具が入っています。しかも唐辛子が入っていてスパイシー。
そして、めちゃくちゃ美味しい。
これは、今度しっかり習って間借りやイベントで提供してみたいと思った料理でした。
カディザさんに作っていただいたロヒンギャ料理のフルコースがこちら!
新畑さんは、ご夫妻とは家族なくらい仲が良い間柄ということでいただくお料理もできるだけ
素朴な家庭料理で・・とお願いしていたそうですが、カディザさんにこんなにたくさんの豪華ロヒンギャ料理を振る舞っていただきました。
私を含め五人の客、カディザさんご夫婦4名=総勢9名でこちらの豪華ロヒンギャ料理をいただきました。
まず、ご紹介するのはこちら。
◆ロヒンギャ料理(1)なすの詰め煮「パイヨントーザネ」
なすを縦に切れ目を入れて、その中に具や調味料を入れて蒸し煮にするこの料理。
ビルマ料理にも同じような料理がありますが、いくつかポイントが異なるのが面白いところ。
そして、カディザさんいわく「まん丸で身がしっかりした茄子で作るとおいしい!」とのことでした。
◆ロヒンギャ料理(2)焼きトマトディップ:「タイヨンホルガー」
トマトを焼いて潰したディップはミャンマー全土で愛される副菜。
このサルサには、唐辛子を入れていませんでした。というのも、ほかの料理には唐辛子がふんだんに使われているから!
口休め的なディップなんですね。
ロヒンギャの方々も大好きなお料理で、娘さんが特に美味しそうにご飯にかけて食べていました!
◆ロヒンギャ料理(3)魚のすり身揚げ:「名前忘れました」
このすり身揚げ、日本でも手軽にある食材で作れて、しかも日本にある手軽な食材で作れるのがポイント。
辛さを和らげるためにも清涼感あるミントを添えてられているのもポイントです。
◆ロヒンギャ料理(4)牛肉の煮込み:「ゴルグストサロン」
いわゆる、牛肉のカレー。これは東京で食べたミャンマー料理の中で一番美味い牛カレーかもしれない。
美味しく作るポイントはいくつか教わりましたが、とにかく大事なのは秘伝のガラムマサラとのこと。
このガラムマサラは秘伝のため、日本で購入できるガラムマサラとはちょっと違うとのことでした。
さすが、スパイスにも並々ならぬこだわりがあります!
◆ロヒンギャ料理(5)えびと豆の料理:「イサーマスダルサロン」
他のお料理に比べて辛さは抑え目でした。えびの旨味も加わって、サラッとした仕上がりのカレーです。
豆は本来LabLabBeanと呼ばれるバタービーンズで作られており、この豆で作るととんでもなく美味しいとのことなのです。
ただ、日本ではなかなか手に入れることができないのだそう。
私の探究心で日本でても手に入るお店探してみたいと思います!
◆ロヒンギャ料理(6)鶏肉の炒め料理:「クラグストサロン」
鶏肉を炒めたお料理。辛めで水分を飛ばした煮込み料理。
サロン=お料理という意味だそうです。
辛いものが好きな方にはおすすめのお味でした!
◆ロヒンギャ料理(7)バングラディッシュのデザート:「ハルヴァ」
なんと、デザートまでご用意いただいていました。ハルヴァはもともとミャンマー由来ではなくバングラディッシュやインド、中東の発祥料理。
ハルヴァの元になる食材は色々あるそうなのですが、「これは何で作られているでしょうか?」という質問をいただきみんなで考えながら回答しました。
栗のようにこっくりしているけれど、さつまいもでもないし、ジャガイモでもないし・・
というところで、私がすかさず「ひよこ豆ですか?」と聞いたら正解!ミャンマーやバングラディッシュでは豆料理が多いのも特徴です。
すごくコクもあって、ひよこ豆の使い方を再認識した次第。
そんなこんなで、本気で腹パンになって今宵の晩餐は終了しました。
ロヒンギャのおもてなし料理をいただいて、通じた思い。
ロヒンギャの食文化と、美味い料理と、食材の話と、ご夫婦の馴れ初めと、ご家族のお話と、お子さまと戯れて、いつのまにか4時間経過。幸福腹パンで帰路に着きました。
難民や迫害の話でネガティブなイメージを持たれている方もいるかもですが、ラカイン州のバングラデシュ国境近くに住むみなさんが、どんな食生活を送っているのか昔から興味がありました。
そんな楽しい日常は私にはあるけれど、未だ迫害を受け続けているロヒンギャの方々も多いのが事実です。それは絶対に忘れてはいけない。カディザさんムシャラフご夫妻、素敵な時間、本当にありがとうございました。
※カディザさんとムシャラフさんの活動などはこちらの記事をみていただけると嬉しいです!
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難民の未来は、私たちの未来ユニクロ 池袋東武店 カディザ ベゴム / バングラデシュ人民共和国生まれhttps://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/sustainability/power_of_clothing/
- ロヒンギャ料理で考える~食卓編~ 味を通じて学ぶ歴史、ロヒンギャの現実https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20201105/pol/00m/010/006000c
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それぞれの地で生きるロヒンギャから日本にいるみなさんへ
https://www.mdm.or.jp/news/19657/