◆なかなか見ないミャンマーの乳製品。「あるの?ないの?」→ありました!
ミャンマー名:ヌワーノーゲー
ミャンマー料理を研究しているとき、ずーっと疑問に思っていたことが「乳製品を使った料理がない」こと。
色々な文献を調べる中わかったことは、ミャンマーの宗教や、労働力として牛を重宝する考えが根付いており、牛を食べる地域は一部だそうで、ビルマ料理では牛乳を使ったような料理が少ないようでした。
(もちろんヤンゴンなどの都市では今はなんでも揃っている環境です)
ただ、ミャンマーの国境付近には多くの少数民族が住んでおり、ひょっとしたら地方に行けば伝統的なチーズがあるかもしれない!
と思い、年末年始に行ったシャン州アウンバンの五日市で見つけました!
ここは、観光客がほとんど来ないような巨大ローカル市場。いろいろな民族の方がお店を出している中、タオルのような布を巻いているパオ族の姿が目立ちました。
そして、ふと下を見たらお目当のチーズが!
売っていたのは、たしかパオ族の女性でした。どんな風に作られているのか詳しく聞きたかったのですが、言葉が通じずはっきりとした作り方はわかりませんでした。
この市場でも比較的高い食材だそうで、でも食べてみたいので購入。
カローに戻ってダヌー族の奥さまに、チーズを使った伝統的な料理を作ってもらいました。
見ればわかる納得の美味しさ。これをご飯で食べるのも格別に美味しくて、
ミャンマー料理のポテンシャルを再認識した次第。
ちなみに、ミャンマーではチーズ屋さんはチーズ、納豆屋さんや納豆というように、家庭では作らないようですが、昔から食べられていたと言っていました。
日本に戻った後、昔ながらの方法ではどのように作られているのかとにかく調べてわかったことは、昔はとある植物から凝固するエキスとを取り出して作っていたんだそう。
その植物は「giant milkweed ・Calotropis gigantea」。
なんと、中国の少数民族でもチーズが作られるのですが、その民族が使う植物と同じでした(昔のチーズの製法で凝固させる材料・方法はいくつかあります)
なんとかこの植物で昔ながらのミャンマーチーズを作ってみたいと思いましたが、なかなか手に入らない植物ということで断念。
しょうがないので、今の製法の一つであるレモンの酸味で凝固させて作ってみたのがこちら!
牛乳300ML程度でこの大きさのヌワーノーゲーが完成。
牛乳が貴重で、さらにチーズにしたらこんなに小さくなってしまうのであれば高価な食材なのも納得。