◆中国料理店の新ジャンルとして紹介したい。
中国少数民族の料理を中心に自家製発酵物を提供するMATSUSHIMA(まつしま)さんの料理にハマってます。
MATSUSHIMAさんとの繋がりは、発酵・ハーブ・香料料理が楽しめる牧谿(もっけい) 水野さんからのご紹介。
そんなきっかけから始まり、中国雲南省のお料理を提供しているというところから、ミャンマーの辺境料理に通じるところもあり、お店にお伺いしたり、ミャンマーと発酵食のお話をする仲になった私。
とにかく「あーま食べたいな」と反芻する料理ばかりで、少し時間が空いてしまいましたが、2024年も念願のまつしま詣をしてきました。
◽️2024年3月に行ったお料理たち。書いている時点でもうまた食べたくなってきた。
ちょうどこの日は、マツシマさんがタイのチェンマイで料理旅をしてきた直後ということもあり、コースの端々に北タイ料理(いわゆるシャン料理に近い)を堪能することができました。
今回のメニュー
新玉ねぎのスープとかかれたこちら。スターターと思って軽くみてましたが期待を完全に裏切られた料理。
新玉ねぎと自家製腐乳を使ったスープで、これが本当に濃厚で芳醇なクリープスープ。そら豆は加熱していない腐乳ペーストと和えられたもの。
このスープが衝撃的すぎて、ずっと飲んでいたいほどの美味しさでした。
初っ端から感動しながら次のお料理は、北タイで購入してきたカエルのあげたものやナンプリックと呼ばれる唐辛子ペースト、などなどの盛り合わせ
この卵焼きですが北タイで買ってきた茶葉をつけたものをオムレツにしたのだそう。
茶葉かどうかはわからないのですがミャンマーでも苦味がある葉っぱを発酵させて食べることがよくあり、それに近いかなと思いました。そのままだと苦いけれど、オムレツにして一緒に食べるという文化はミャンマーでも一緒ですが、マツシマワールドがかかってさらに美味しいオムレツになっていました!
今回、北タイの少数民族の村で生の納豆を購入してきたということで、コースメニューにアレンジを加えていただき、イカの炒め物に使っていただきました。
ミャンマーでも特にカチン州などでは生納豆を食べる文化がありますがこの納豆、ほんとに美味しくて豆が良いだけではなく、菌も作り方も抜群に美味しい民族の納豆なのだろうと思います。
この納豆を種菌にしてまたマツシマさんの方で増やしてみるんだそう。
この日は、いろいろな中国酒をいただきながら楽しみにました。
最初は紹興酒ソーダから始まりましたが、このタイミングで紹興酒ストレートをチョイス。
紅麹も自家製。この豚の火入れといい、味のバランスといい最高です!
そしてまだまだコース料理は続きます。
お次のお料理は、国産鯰を使った傣族トマトソース。
国産鯰はフレッシュなものを仕入れているのだとか!
しかも、身の部分と、上のカリカリしたもの、ソースに全て鯰を使っているのだそうで、身の揚がり方はふわふわ、海水の白身魚と言われても区別つかないのではないでしょうか。
そして、この料理のアクセントとなっている傣族のトマトソースですが、傣族はミャンマーのシャン族と同じ。(シャン族の中でもたくさんの分類があるうちの一つ)。
そのため、このトマトソースにインスパイアされたお料理はシャン族にも存在します。
鯰の料理といい、傣族トマトソースといい、すごく特別なミャンマーシャン州料理をいただいている気分になりました。
フランス料理かと思えるほど美しい一皿。ただし味は完全に中華で四川の特徴的な花椒が効いた濃厚なお味。マッシュポテトをいただきながら、紹興酒が進みます。
前回もいただいて美味しかった締め料理をチョイス。米線(ミシェ)は土鍋に入れてミャンマーシャン州でもよく食べられている料理だけど、発酵エビ味噌と合わせるとは。この発酵エビ味噌も自家製だそうです。
少し前からミャンマーのお茶についても研究をしようと思い中国茶の勉強を始めたのですが、今回出てきたお茶は、北タイの少数民族が作る烏龍茶でした。
みずみずしい香りがただ良いとても美味しい。
山向こうはミャンマーのような場所で購入されたいうことで、ミャンマーにも美味しいお茶はたくさんあるだろうなと思いを馳せながらいただきました。
頂終わった直後はもうお腹いっぱいで!
マツシマさんのお人柄、料理含め行きつけにしたいお店だなと思いました。
◽️2023年8月に伺った際のお料理はこちら
季節に合った中国の郷土料理を出すマツシマさん、今回も感動的な美味しさでした。
麻豆腐とは、北京の郷土料理で緑豆のおからを発酵させてつくるそう。とっても濃厚。チーズのようでお酒が進む。
美味しすぎておうちで作ってみたいなと思いました!
特に枝豆の紹興酒づけがすごくおいしかった!
羊好きにはたまらない一品。しっかりダシが出た羊汁が胃に染み渡ります。
これまたマニアックな料理!発酵筍と、樹子(ハブシ)と呼ばれる果実を、たしか蒸した金目鯛?にかけたもの。
発酵筍の酸味も程よくあっさりいただけました。
前回、シグニチャー料理とも言える黒酢の酢豚を食べたので、今回のメインは鴨ロースに。
これが正解で、火入れと辛さを抑えつつ青味を感じるミントソースのバランスが最高の肉料理をいただきました。
ご飯ものはこちら。これも最高の大好きな土鍋ご飯。
焼唐辛子醬は辛いので別添えにしてもらいました。
今回のコース料理は特に私が大好きな構成だったなと思います!
中国料理ですが、ここまでほんと油っこくなく、酸味と辛さのバランスが程よくてご紹介した友人も中国料理の幅の広さにびっくりしていました。
とにかく、毎回行くと明るく丁寧に料理を説明いただけるマツシマさん。
毎月変わるコース料理もすごく素敵だなと思いました!
ありがとうございました。
▼以下は2023年3月の初来訪時のレポです
牧谿 水野さんのお兄ちゃん的な存在・・そんなマツシマさんは、黒猫夜で総料理長だったこともあるようで、松島さんのお料理をぜひ食べてみたいと思い食いしん坊メンバーと一緒に伺って参りました!
場所は代々木上原から徒歩2分程度に位置するビルの地下1階。
やはり、牧谿水野さんのお店の雰囲気にどこか似ていて、入り口の雰囲気からして絶対美味しいお店と確信。
ビルの階段を降り、重厚な鉄ドアを開けるとそこは木をつかった店内が広がりました。
温和な雰囲気の松島さん。
今はコース一本勝負ということで、お任せコースをオーダー。
3月初旬にいただいたメニューはこちら。
この日は酸味がある料理が多いとのことで、私もとても期待していました!
食べた料理を順にご説明
豚バラが箸で崩れる柔らかさにも関わらず、表面はしっかりカリッと食感。
これはもう松島さんじゃないと作れない技術!
途中、食中酒として希少なマルベリーのワインをいただく。
ちなみに、マルベリーのワインはミャンマーシャン州でも作られています。
アルコール度数はそこまで高くないワイン。
ミーシェン(麺)がツルツル・コシがしっかりで美味しい!
もう、はしっこから端っこまで繊細な中国の郷土料理を堪能。
しかも、ご自身で発酵料理が多く、全て自家製で発酵させているこだわり。
恐れ入りました!という気持ちと、辺境料理を通じてお知り合いになれてよかったなと思う次第。
マツシマさん、コース料理で8000円(2023年3月)。毎日は難しいけれど、たまにのご褒美で食べに行きたいなと思います!
美味しい料理を食べると1日が充実しますね。